グランドセイコー 9Sムーブメント - 新世代の機械式キャリバー（パート6）

グランドセイコー SBGH267、グランドセイコー キャリバー 9S、画像出典: timeandtidewatches.com

私たちのグランドセイコーに関する投稿で述べたように、このブランドの職人技は全体的にラグジュアリーなニッチに位置していますが、キャリバー 9S シリーズに関しては全く新しい物語があります。まず、グランドセイコー キャリバー 9S ファミリーは、基本的に5200キャリバーの更新版に基づいて構築されており、モダングランドセイコー機械式と呼ばれています。では、その理由を見てみましょう。

グランドセイコー 9S ムーブメントの基盤: キャリバー 5200

5200 自動巻きムーブメントファミリーは、1970年代にセイコーによって導入され、セイコーの自動巻きムーブメントのクラシックな時代の最後のシリーズとなりました。そのムーブメントは、ロードマティックやキングセイコー 52KSなどの伝説的な時計に見られました。このシリーズは28,800 bphで動いています。それはセイコーによって「ハイビート」と分類されているため、36,000 bphで動く真の「ハイビート」の先駆者の一つとして分類できます。セイコーの歴史を長く追っているなら、1968年のグランドセイコー61GSのように、36,000 bphで動く他の先駆者がこのムーブメントファミリーの他にも存在したことを知っているでしょうが、それはまた別の話です。5200は9Sシリーズのベースとして使用されているため、今はそれを保持しておきます。5200ラインは1976年に廃止され、電子時計の時代が始まる中で、90年代に復活し、4S15キャリバーとその派生品がセイコーラインに、そしてグランドセイコーに9Sシリーズが誕生しました。このファミリーのキャリバーについて言及しましょう：1970年の5206Aと5216A（23または25ジュエル）、1971年の5245Aと5246A（25ジュエル）、1973年の5256A（25ジュエル）です。

キングセイコー52スペシャル、画像出典：reddit.com

モダングランドセイコー自動

1998年に9Sシリーズが発明される前、グランドセイコーはスイスの時計と肩を並べていましたが、9Sの導入により新しいGS基準（いわゆる「グランドセイコースペシャルスタンダード」）が設定され、基準は大幅に引き上げられました。ご存知の方もいるかもしれませんが、新しいGS基準は、日差±4秒/−2秒、またはそれ以下の精度を持つ機械式ムーブメントを生み出します。それに加えて、製作者の卓越した職人技が加わり、少なくとも機械式時計に関しては、ラグジュアリーな時計製造はこれ以上良くなることはありません。グランドセイコーが真剣な時計コレクターの間で人気の選択肢の一つであるのも不思議ではありません。

グランドセイコーの全体的なコンセプトは、世界で最高の時計を作るというアイデアに簡略化できます。9Sシリーズは、機械式キャリバーの世界でこれまでの最高基準を表しています。各機械式キャリバーには200から300の部品が含まれていることを考慮すると、それぞれが完璧でなければ、正確な時間を示す役割を果たすことができないことが想像できます。このため、グランドセイコーはMEMS（マイクロ電気機械システム）技術を使用してエスケープメントを製造していますが、グランドセイコー帝国の驚くほど訓練された職人たちの鋭い目と安定した手によって、部品を組み立てる技術は他にありません。まさにこの人間の要素こそが、グランドセイコーがそのような正確な時間計測の秘密だと主張するものです。現代の世界では、機械が人間の仕事を多く行っている中で、彼らの時計の追加コストに見合う成果であることは間違いありません。

9Sキャリバーシリーズとその新しい基準により、グランドセイコーは17日間の試験を導入しました。これは、各機械式ムーブメントが厳しい条件下で17日間テストされることを意味します。それには、異なる位置、温度、その他多くの条件が含まれ、厳格な基準に合致する場合のみ、グランドセイコーとしてマークされることができます。

グランドセイコー 9S55 キャリバー、画像出典: gs-story.com

グランドセイコー キャリバー 9S5-

グランドセイコー 9S ムーブメントシリーズには多くのキャリバーがあり、すべてが3つのグループのいずれかに分類されます。最初のグループは9Sシリーズの始まりであり、1998年に導入された9S5x範囲のキャリバーです。すべての9S5xムーブメントは、1時間あたり28,800ビートで動作します。

9Sシリーズで最初に導入された時計は、SBGRグランドセイコーオートマチックとしてマークされました。最初のものはキャリバー9S51によって動かされ、古いキャリバー5200のアップデートであり、24個の宝石を持っていました。それを搭載した時計は、グランドセイコーオートマチック SBGR002、SBGR007、SBGR013、SBGR033です。

同年に9S55も導入され、日付、26ジュエル、精度は1日あたり+5/-2秒です。前述の2つのモデルはSBGRとしてマークされており、グランドセイコーの自動日付バージョンがあります：SBGR001、SBGR003、SBGR005、SBGR009、SBGR011、SBGR015、SBGR017、SBGR019、SBGR023、SBGR025、SBGR027、SBGR029、SBGR031、SBGR035、SBGR037。

この9S5xシリーズには、2001年の手巻きバージョン9S54と、2002年のGMTバージョン9S56もあります。手巻きバージョンはSBGWとしてマークされ、20ジュエルを持っています。一方、GMTバージョンはSBGM自動GMTとしてマークされ、27ジュエルを持っています。グランドセイコーのGMTバージョンは9S66ムーブメントも搭載しています。9S54の時計を探す場合は、マークを検索してください：SBGW001、SBGW003、SBGW005、SBGW007、SBGW008、SBGW009、SBGW011、SBGW012、SBGW014、SBGW021、SBGW023または130周年記念SBGW004。自動GMTバージョンは、マークSBGM001、SBGM003、SBGM005、SBGM007、SBGM009、SBGM011で見つけることができます。

グランドセイコー SBGR251, 9S キャリバー 9S65, 画像出典: forum.tz-uk.com

グランドセイコー キャリバー 9S6-

9S6xシリーズは、基本的に現代のグランドセイコーのムーブメントの第二世代です。そのキャリバーは2006年から2011年の間に導入され、すべて28,800 bphで動作します。また、72時間のパワーリザーブを持つため、「3日間」ムーブメントとも呼ばれています。これは、より強力なスプロン510メインスプリングの導入により可能になり、グランドセイコーの機械式時計の新しい標準となりました。

2006年には、自動巻きムーブメント9S67がグランドセイコーの物語に加わりました。41個の宝石、日付表示、パワーリザーブインジケーターを備えていました。これらの時計は、SBGL001、SBGL003、SBGL005、SBGL007、SBGL009、SBGL011、SBGL013、SBGL015、SBGL017としてマークされています。

4年後の2010年、グランドセイコーは2つの自動巻きモデル、9S65と9S66を発表しました。どちらも35個の宝石を持ち、精度は1日あたり+5/-3秒で、後者はGMTバージョンです。グランドセイコーのキャリバー9S65の時計は、SBGR051、SBGR053、SBGR055、SBGR057、SBGR059、SBGR061でマークされています。また、44GSオマージュバージョンのSBGR081とSBGR083もあります。GMTバージョンはSBGM021とSBGM023の2つだけです。

2011年には、手巻きムーブメントのグランドセイコーキャリバー9S64が登場し、24個の宝石を持っています。このムーブメントは、130周年記念のSBGW033、SBGW039、SBGW040、および44GSの復刻版SBGW043、SBGW044、SBGW046、SBGW047に見られます。

1年後の2012年には、9S65のアンチマグネティックバージョンがSBGR077とSBGR079の時計で発表されました。

これらの他に、33個の宝石を持つキャリバー9S63もあり、手巻きで小さなセコンドハンドがあります。

グランドセイコー アンチマグネティック SBGR077 &および SBGR079, 画像出典: ablogtowatch.com

グランドセイコー ハイビート キャリバー 9S8-

通常のグランドセイコーのように、9S8xシリーズは精度と後のパワーリザーブに関して再び基準を引き上げました。全く新しいキャリバーの範囲は驚異的な36,000 bphで動作し、新たなレベルを設定しました。

37ジュエルを持つ9S85ムーブメントの導入は2009年に行われました。その精度は1日あたり+5/-3秒に設定され、ムーブメントは55時間のパワーリザーブを保持しました。

これは、セイコーの超高級ラインであるクレドールのために作られた、驚異的な43,200 bphで動作するセイコーの「スーパーハイビート」キャリバー8L88から進化したと考えられています。ちなみに、この時計についてもっと調べたい場合は、「クレドール GBBX998」を検索してください。2008年には1本の時計が製造され、その標本は60万ドル以上の価格が付けられました。

グランドセイコー9S8xシリーズに戻ると、9S85を搭載したハイビート自動時計は、SBGH001、SBGH003、SBGH005、SBGH019、SBGH020、SBGH022、SBGH023としてマークされています。

9S86、別名9S85のGMTバージョンは、SBGJ001、SBGJ003、SBGJ007の時計に組み込まれています。

グランドセイコーSBGJ201ハイビート36000 GMT、9Sキャリバー9S86、画像出典： timezone.com

前述のすべてのムーブメントに加えて、9Sシリーズはキャリバー9S27も保持しており、この全体の素晴らしさをスリムなケースでバランスを取ろうとしています。35個の宝石を内蔵し、スプロン610合金を使用して、できるだけ美しく保たれています。

9Sシリーズの特別な点は何ですか？

グランドセイコー9Sファミリーのムーブメントは、スイスのトップブランドと競うために作られたようです。その精度、デザイン、パワーリザーブ、そして卓越した職人技は、容易にそれを実現しています。このシリーズのすべてのムーブメントは特別な献身をもって作られ、ロジウムメッキと東京ストライプ仕上げが施されているため、グランドセイコーの時計のみに限定されています。

それに加えて、9Sシリーズには、少なくとも機械式時計愛好家の間では、スプリングドライブを内蔵した9Rシリーズの価値に匹敵するいくつかの時計が含まれています。したがって、9Sはよりクラシックな側面があると言えるでしょう。この2つの中から1つを選ぶのは難しいので、クォーツのピースが内蔵された時計が好きかどうかの問題に帰着するだけです。もしそれがない方が良いのであれば、「ハイビート」グランドセイコーライン以上のものはありません。リアルタイムでの精度について話すと、違いに気付くことはほとんどないでしょう。気付くことができる唯一の違いはパワーリザーブです。グランドセイコーのスプリングドライブは大きく進化しましたが、通常の動きであれば、9Sは十分に役立つでしょう。

グランドセイコーをスイス製時計より選ぶべきかどうか迷っている場合（私たちも多くのスイス製時計が好きですが）、選ぶ理由はたくさんあります。その一つは、グランドセイコーはしばしばより手頃な価格であることです。少なくとも、あなたのお金で手に入る卓越した時刻表示の作品を考慮すればそう言えます。

もう一つは、各時計には伝説的な歴史が内包されていることです。職人たちが自らの技を磨くために費やした時間を考えてみてください。セイコーの豊かな歴史は、しばしば不可能に思える夢によって形作られました。そして、セイコーはグランドセイコーラインで一つの大きなことを証明しました - 大きな夢を持ち、一生懸命働けば、何も不可能ではないということです。

著者 M.H。、他の著作権者による画像 

参考文献:

• グランド-seiko.com
• ウォッチ-wiki.net